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SEOという言葉を知らない方もいるかと思いますので、まずSEOとは何かを説明させて頂きます。
SEOとは「Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション」の略で、検索エンジン最適化という意味です。
「検索エンジン最適化」と言われても分かりづらいかと思いますが、Googleなどの検索エンジンでの検索で、特定のウェブサイトを任意のキーワードで上位表示される為に、ウェブサイト自体の構成等と調整する事です。
まだピンと来ない方もいると思いますのでわかりやすく説明すると、例えば私が表参道で美容室を経営しているとして、その美容室のホームページを作ったとします。
でも、表参道には約300軒の美容室があり、「表参道 美容室」などで検索しても自分のお店のホームページを見つけるのはなかなか難しく、顧客にも見つけてもらないのが現状です。
表参道で美容室を探される方は、この「表参道 美容室」などというキーワードで検索する事が多いので、このキーワードで検索された時に、自分のお店のホームページが上位に表示されるように調整する事をSEOとよびます。
この、上位に表示されるかされないかによって、経営状況は大きく左右されるかと思います。
皆さんも経験あるかと思いますが、何かを検索した際に見るウェブサイトは、ほとんど1ページ目にあるものではないでしょうか?
ですので、このSEOというものは何年も前から数多くの業種で必要とされており、また、同時にこういったSEOをする会社も多く出現してきたのです。
SEOとの出会い
私がSEOというものに始めて触れたのは今から15年前くらだったと思います。
知人の会社が、自社の通販サイトを自前でSEOをし、多くの売上を上げていたのを知ったのがきっかけでしたね。
それを知った時は目からウロコでした。
検索結果の順位を上げる事ができるという事、また、その順位次第で売上が大きく変動する事。本当に魔法のようで衝撃でした。
そしてその数年後に、SEO会社の営業マンとして本格的にSEOに関わる事になり、今の会社をホームページ制作会社として立ち上げた後、本格的にSEO事業を始めました。
SEOのノウハウは、営業マンとして働いていたSEO会社で学んだ事と、独自の解釈を合わせて作り上げ、それが功を奏し多くの実績を上げる事ができました。
その当時は本気で「うちの会社は日本で1番高い技術を持っている」と思ってましたね。
思うのは勝手ですから。
そのSEOに関しての詳しい事は別記事の「
SEOの効果と向いている業種について
まず1番最初に、実際に請けたSEOで、顧客の売上がどう変化したのか、また、SEOに向いている業種とそうでない業種について触れたいと思います。
成功例①
今まで仕事で請けてきたSEOで1番衝撃を受けたのは、「電話占い」という業種です。
電話占いとは、電話占いを運営しているサイトに登録している数多くの占い師から、自分が良さそうと思った占い師を選び、電話で占ってもらうといったサービスです。
約10年前の事ですが、電話占いのシステムはその当時1分200円くらいが相場だったと思います。
これは前職で、私が営業マンとして取ってきた仕事でしたが、この「電話占い」というキーワードで上位表示させる事が目的でした。
依頼してきた方は個人の方で、この「電話占い」事業に始めて新規参入されるという事で、ウェブサイトもなかった為私がウェブサイトを作る事になりました。
既に何人かの占い師とは契約されていたので、ウェブサイトができ次第オープンといった感じでしたね。
その仕事を請けて1ヶ月くらいでサイトが完成したので、実際にオープンし、本格的にSEOをする事に。
その当時のSEOが見事にハマって、それから1ヶ月も経たないうちに「電話占い」というキーワードで1位にする事ができました。
そして、その顧客と話していると、オープンしてたった2ヶ月目でなんと、1ヶ月の売上が2,000万円に達成したそうなんです。
これにはさすがにびっくりしましたね。
このSEOによって爆発的な売上を上げる事ができ、それからリピーターもどんどん増えて行った為、毎月の売上は3,000万~5,000万になっていたかと思います。
その当時の顧客から頂いていたお金は1ヶ月20万程度。
それだけの投資にしては考えられない売上です。
SEOの凄さを改めて実感しました。
成功例②
あとは、オーダー家具屋を経営されている方からの依頼でしたが、作られている家具が北欧調の家具だった為、私は「北欧家具」というキーワードで上位表示を狙う事を提案しました。
「オーダー家具」というキーワードでも良かったのですが、その当時あまり検索されているキーワードではなかったのと、北欧家具人気が高かったのが理由ですね。
その顧客のSEOも成功し、「北欧家具」のキーワードで3位くらいになり、売上もどんどん上がり、1店舗だった店が全国に数店舗構えるほどになりました。
本当に喜んでもらえましたね。
成功例③
あと、「外壁塗装」というキーワードで成功した顧客も、年間2,000万円ほどだった売上が4億ほどまで上がったという話しを聞きました。
この顧客は、地域限定で行う業種でしたが、全国的にも有名な大都市だったので、地域名を入れた「外壁塗装 ○○」というキーワードでの検索回数も多く、上位表示をした事でかなりの集客に成功する事ができました。
他にもたくさんの顧客がこのSEOの成果で成功されましたが、この検索結果だけで業績が格段に上がるのを見ていると、本当にインターネットの凄さを実感しました。
決して売上が上がるとは限らない
でも、実際に売上が上がった顧客ばかりではなく、どんなにSEOが成功して、希望のキーワードで上位表示しても全く売上が上がらなかったという例もたくさんあります。
それは、あまりにもこの「SEO」に頼りすぎていた結果だと思っています。
上位表示されるだけでは売上はあがりません。
結局、そのサービスを受けようと思ったり、モノを購入しようと思うのは消費者(ユーザー)なんです。
ここで、全くうまく行かなかった例を書かせて頂きます。
キーワードの設定ミス
この「キーワードの設定」というのは凄く難しく、いくら検索されている回数が多いからといって成功するとは限らないのです。
このキーワードの設定に関してですが、まずキーワードによって単価は全く異なります。
今は行っていないですが、当時は「完全成果報酬」といって、検索エンジンの1ページ目(10位以内)に表示されないと一切お金を頂かないというシステムを取っていました。
1ヶ月○○円という契約で、1ヶ月のうちに1ページ目に表示された日を日割りで計算し請求する。
だいたいは安定してくるとずっと表示されてましたので、その契約金額の請求をしていました。
その当時ですが、1番安いキーワードで1ヶ月約2万円、高いキーワードで約30万円でやっていたという記憶があります。
これだけキーワードによって金額の差がありますので、顧客に最適なキーワードを提案しても断られる事も多く、結局効果のないようなキーワードで契約され、SEOで上位表示されても売上が上がらないというクレームを入れてこられる方もたくさんいらっしゃいましたね。
それだけこの「キーワード設定」はとても大事なものでした。
SEOに向いていない業種
もう1つ、この「SEOに向いていない業種」というものがありました。
それをいくら説明してもなかなか理解して頂けない顧客もいて、結局クレームになる事も。
なんとも難しい仕事でした。
このSEOに向いていない業種はたくさんありますが、冒頭で例に出させて頂いた「美容室」も実は向いていない業種なんです。
その理由は、実際に「表参道 美容室」などで検索してもらえるとわかると思いますが、1ページ目に表示されているサイトのほとんどが、「HotPepper」のような美容室の情報サイトだからなんです。
美容室を探している方は、こういった便利な情報サイトで探される方が多いので、仮に上位に表示されたからといって、訪問される数が上がるという事ではないのです。
あと、全国展開されている、もしくは全国どこからでもサービスを受ける事の出来る業種はSEOに向いていますが、そうでない業種はとても難しいです。
先程の話しの「電話占い」なんかは、全国の方が利用できるので成功できたのです。「北欧家具」というキーワードも、お店は1店舗でしたが、全国からオーダーを受け付けていましたので成功できました。
これが小さな地域限定だとSEOで成功するのは凄く難しいです。
過去に、とある地域の産婦人科に「産婦人科」というキーワードで依頼され、上位表示に成功しましたが、全くと言っていいほど患者さんは増えずクレームになりました。
※もちろん提案の時点でしっかり説明はしました
といったように、その当時はSEOに向いていない業種が多く存在しました。
ここまでの話しは数年前までの話ですが、では、今現在SEOというものはどうなっているのか?
それが1番大事な事になりますので書かせて頂きます。
今現在のSEOのあり方とは
弊社では現在、SEOの案件は全く請けておりません。
なぜかと言うと、以前のようにウェブサイトにキーワードを設定し、上位表示させる事に意味がなくなってきたからです。
また、検索エンジンの代表格である「Google」も、この数年で検索エンジンの機能自体を発展させ、我々が小手先で行うようなSEOは通用しなくなってきたのです。
それは、検索エンジンをより便利なものにする為には当たり前の事なのです。
まず、「上位表示させる事に意味がなくなってきた」という事に関して、ちょっと認識の違いになりますが、1つのキーワードで上位表示させたところで意味がなくなってきた、という事です。
その理由は、ここ数年で爆発的に普及したスマートフォンが要因として上げられます。
このスマートフォンの普及によって、ユーザーが検索するキーワードがかなり多様化してきたからです。
まだ、インターネットの利用がPCが主だった頃は、その目的1つでキーワード検索される事が多かったですが、今、ユーザーそれぞれがその時思っている事、感じている事、欲求、悩み等を検索します。
例えば、また美容室を例に挙げさて頂きますが、今までのように「表参道 美容室」などのキーワードではなく「近くの美容室」であったり、「カットが上手いけど安い美容室」とか、とにかく検索する自由度が大きくなってきたのです。
その為、1つのキーワードにお金をかけてSEOをしたところで、という話しになってくのです。
もう1つの、「Googleの精度が上がった」事に関してですが、Googleの検索エンジンは何で収益を上げているかというと、検索結果に出てくる広告収入なのです。
という事は、多くのユーザーに検索エンジンを利用してもらわないと駄目なので、検索結果に表示させるウェブサイトも、良質なウェブサイトにしなければ駄目だという事です。
では、「良質なウェブサイト」とは何か?
それは、ユーザーにとって有益な情報がしっかり記載されているウェブサイトだったり、検索したユーザーにしっかり刺さる内容のコンテンツがあるウェブサイトです。
例えば、先程の話のオーダー家具屋さんですが、ただ、家具を売る為だけが目的のウェブサイトだと、家具に興味がある方はなかなか入ってこないウェブサイトになります。
すぐにお客さんにならなくても、今は皆様々なキーワードで検索されていますので、そういったキーワードを知る事でコンテンツを増やしてみる事ができます。
例えば家具系でいうと、ユーザーがどういったキーワードで検索しているか調べてみると、たくさん出てくる中に
「家具配置 シミュレーション」
「家具のレンタル」
「壁に付けられる家具」
などといったキーワードが出てきます。
実際の家具の製造や販売を目的としている商売でも、家具のオススメの配置の仕方を教えてあげるコンテンツを作ってみたり、家具の販売だけではなく、レンタルの事業も考えてみたり、壁に付けられる家具の紹介をしてみたり、出来る事はたくさんあります。
という事で、今のSEOは、とにかくユーザーが何を考え検索しているのか、何を知りたいのかを調べる事で、そういったコンテンツを作り続ける事だと思っています。
全てユーザーの為のウェブサイトを作る。
そうなると、コンテンツの内容だけではなく、使い勝手も考えなくてはいけません。
スマートフォンで見づらかったり、やたらと表示スピードが遅かったりだとユーザーの為とは言えませんからね。
そういった「ユーザー目線」でしっかり作られたウェブサイトを、Googleは評価し、評価されたウェブサイトにはたくさんユーザーが訪問されるのです。
それが今の「SEO」。
「誰かの為」だと信じて行うのが今のSEO
弊社でも、現在SEOの案件を請けていないですが、自社でウェブディアを運営し、日々集客に励んでいます。
今、主な2サイト合わせると、1日に約1万人のユーザーが訪れるまでになりました。
10年以上前からこの「SEO」を仕事の1つとして行ってきましたが、今やっとしっくり来ているといった感じです。
過去にSEOで売上が上がった顧客は、キーワードの順位が上がっただけでなく、サービスがしっかりしていたり、良質なウェブサイトであった事も事実です。
逆に、良くないサービスを行っていた会社や、良質ではないウェブサイトを上位表示させていたという事実は、今になっても心苦しいところがあります。
それをユーザーに押し付けていた訳ですから。
ようやく、本当に良質なものだけが選ばれ、集客できるといった時代になり、とても簡単な事ではないですがホッとしますね。
正々堂々とSEOができる。
私もまだまだこの人生「SEO」というものを考えながら生きていくと思いますが、それはきっと誰かの為だと信じて、「SEO」を楽しみたいと思います。
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管理人・ライター / TOMOYA
49歳男性。
web制作、webマーケティング、また音楽関連の会社を東京都内で経営。(2011年設立)
栃木放送「Leina✫color」パーソナリティ。
大手企業でのサラリーマンから、ミュージシャンを目指した極貧生活、20を超える業種のアルバイトや正社員を経て起業。私生活では4回の結婚を経験するなどジェットコースターのような人生を生きる。
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