仕事の事

何でも長く続ける事は美徳なのか?間違った認識が不幸な人生を作る

美徳

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たまたま昨日の夕方のニュース番組を観ていると、「下町人気鮮魚店、閉店の舞台裏」というコーナーがやっていました。

内容は、鮮魚店を開業して40年以上、皆に愛されてきたお店でしたが、ご主人が高齢者になり、息子がお店を継いでくれないとの理由でやむを得ず閉店するという内容。

閉店を残念がるお客さん、涙を流すご主人、奥さんの映像が度々流れ、申し訳なさそうに涙を流す息子の姿が映し出されていました。

私はこのコーナーを一部始終観ておりましたが、息子さんに向けてずっと小声で「全然悪くないよ、何にも悪くない」と1人で呟いておりました。

私から観ると、お店を続けて欲しいと思う顧客も、ご主人もみんなただのエゴであり、そういった声が息子さんをどんどん苦しめる事になるんだと、1人の大事な人生を壊そうとするんじゃないよと、そんな気持ちでいっぱいになりました。

この経営されているご夫婦の話しの中に、「私達は何もないところからスタートした。今、お客さんも箱(お店)もある状況なのに、それにチャレンジしない息子の事が理解できない」という言葉がありましたが、何故こんな事になってしまうんだろう、と、私は悔しくてたまりませんでしたね。

たまたまこの日に、仕事仲間と経営について話していた事もあって、この事について改めて考えていると、日本特有の隠れている「闇」に気づきましたので、今回かこの事について書かせて頂きたいと思います。

代々受け継がせる事への大きすぎる「美徳」

美徳2

私の親はサラリーマンでしたので、親の仕事を継ぐとか、そういったものはありませんでした。

ただ、周りを見ていると、親やその前の代から営まれてきたお店や会社を継いでいる友人達もおります。

私の知っている限り、この友人達は幸せに生きているように見えますし、仕事にプライドを持っている人間ばかりですので特に感じるところはありませんが、本人達の本音はわかりません。

一昔前だと、なんとなく後を継ぐとか継がせるとか、当たり前の言葉として耳に入ってきておりましたが、昨今、仕事や生き方が多様化した時代にそういった言葉を聞くと、ちょっと違和感を感じてしまいます。

「何十年もやってきた商売だから、後を継いでもらいたい」

という気持ちもわからなくはないですが、それを続けていく事に美徳を感じてしまう事自体私は危険な気がします。

私が思う事は、「勝手に自分で始めた事を無責任に他人に押し付けるな」という事です。

血がつながった息子と言えど、その息子には息子の人生があり、好きな事をする権利があり、家族を守っていく義務があるのです。

なんとなく、長く続けてきた事だから、この先も続けなければいけないという事が「美徳」になっているようですが、その美徳で不幸になってしまう人生もあるのです。

長く続ける事は大切か?

大切

私は、高校を卒業して会社員になった時も、親や親戚の方、会社の上司に、どんな辛い事、苦しい事があってもずっと続ける事に価値があると言われ、言われた通り約9年間歯を食いしばりながら会社員を続けました。

ただ、このままだと自分のやりたい事ができない、夢を叶える事などできないという思いで会社を辞め、上京したのですが、辞めてしばらくは罪悪感のようなものが離れませんでしたね。

そして今、私自身会社を経営して10年が経ちましたが、起業した当初は、「できるだけ長く続く会社にしたい、せめて10年」という思いでしたが、その10年が経った今、様々な事を考えるようになりました。

果たして長く続ける事は正しい事なのか?

私なりに出した答えは「NO」でした。

ただ、長く続く事自体は悪くないと思うのですが、長く続けようという気持ちを持つ事は危険だと思っています。

その理由を、先程の鮮魚店の話し、そして私自身の話しからさせて頂きます。

まず、鮮魚店のご主人が、できるだけ長く続けたいという気持ちを持っていた結果、息子さんにとても辛い思いをさせていますし、自分自身も納得できず、お客さんも残念な気持ちにさせてしまいました。

そして私の話しですが、私が、「とにかく長く経営をするんだ」という気持ちでやっているとすればどうでしょうか?

経営がうまくいかなくなれば、従業員の給与を減らしたり、リストラをするという選択をする事になりますし、また、自分の老いからのスキルや情報不足によって、会社や従業員の成長が止まってしまう可能性もあります。

では、一体何を大事にすれば良いのでしょうか?

何かを始める時必ず「出口」を意識する

出口

これは「EXIT戦略」とも言われていますが、何かを始める際、必ず「出口」を意識した上で進めるという事です。

では、また先程の鮮魚店の話しと、自分自身の経営から、どういった事を考えるのが正解なのかを考えます。

まず鮮魚店の話しからですが、間違っていた大きな点は、「家族でできるだけ長く続けていく」という気持ちです。

このなんとなく漠然とした気持ちが、本人、奥さん、息子さん、従業員、お客さんを悲しい思いにさせました。

では、この「出口」を何に設定するべきだったのでしょうか?

・はじめから、自分ができなくなったら辞めるという決定
・お店の権利を売る
・店長を育てる

この3つのどれかだと思います。

自分が好きで始めたんだから、自分ができなくなったら辞めるという事を周りにも認識させた理念を持つ、また、かなりの人気店だったようなので、その権利を誰かに売る、また、家族ではなくても、優秀な従業員を教育し店長にし、お店を任せるという事ですね。

そして私の場合は法人ですので、その「出口」設定は、

・株式上場
・会社売却(事業売却)

の2つです。

株式上場はわかるけど、会社売却は無責任じゃないか!という事を思う方もいるかと思いますが、こういった見方をするとどうでしょうか?

例えば、今私はインターネットでのマーケティングや制作を中心に行っている会社を経営し、従業員も数名おりますが、私のこの事業に注げる情熱は、10年経った今(47歳)から、何十年も続くとは考えられません。

それよりも、私や今の会社よりも優れた経験、知識、情報、情熱を持っている会社に売却できるなら、私はその資産を元に新しい事にチャレンジできますし、従業員も今よりも高い報酬を得ながら、今よりも良い環境、待遇で仕事ができる可能性が十分にあります。

ウェブメディアも数サイト運営しておりますが、今弊社でできる最善を尽くして運営しているつもりですが、私や従業員よりも優れた知識や経験で運営できる会社が、これらを遥かに大きく成長させる事も可能なのです。

ですので、やはりこの「出口」をしっかり意識した経営は大事だと思っています。

漠然と「長く続けなくてはいけない」という気持ちを持つ事は、自分や家族や授業員、顧客を苦しめる事になるという事、改めて頭に入れておかなければいけませんね。

そして、この「長く続ける」という話し以前に、この鮮魚店の息子さんの話しを再度させて頂きますが、人間誰でも、自分が好きな道を生きていく権利を持っていますし、それを批判する資格は誰にもありません。

人気がある店を継がない事が「もったいない」のではなく、自分の好きな人生を歩めないのが「もったいない」のです。

TOMOYA

管理人・ライター / TOMOYA 
47歳男性。
web制作、webマーケティング、また音楽関連の会社を東京都内で経営。(2011年設立)
栃木放送「Leina✫color」パーソナリティ。
大手企業でのサラリーマンから、ミュージシャンを目指した極貧生活、20を超える業種のアルバイトや正社員を経て起業。私生活では4回の結婚を経験するなどジェットコースターのような人生を生きる。

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