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私も38歳の時起業してようやく9年。
最近、起業を考えている知人からよく相談を受けるようになりましたね。
私はそんな相談にしっかり応える事ができるほど大した経営者ではないですし、それほど成功しているとも思ってません。
ただ、9年間毎年利益を出し、納税し、従業員にお給料を出す事ができ、少しだけいいところに住み、少しだけ美味しいものを食べる事ができていますので、自分の経験からなら何かが話せるのかな、とは思っています。
ただ、あくまでも私の経験から基づく私独自の経営の考え方ですので、それを踏まえた上で少しでもヒントになって頂ければなと思っています。
さて、起業したいという知人からの相談ですが、だいたい皆同じような事を質問してきます。
- 個人・法人どちらで始めた?
- 資本金はいくら?
- オフィスはどこで借りた?
- 事業計画はどうやって作った?
- 損益分岐点の計算は?
答えを言うと、100万円の資本金で自宅に株式会社を作り、事業計画書を作ったり損益分岐点の計算はしてません。
ただ、起業すると決めた時は、個人法人どちらでも良いと思ってましたし、資本金も場所も何も考えていませんでした。
そんなのでいいの?と思うのは当然かもしれませんが、私はそれを一切重要な事だと思っていませんでした。
私は、ホームページ制作会社として起業しましたが、デザインしかした事がなく、それもどこかで学んだ訳でもなく、そういった部署にいた訳でもありません。
ただ、ホームページのデザインをAdobeのソフトを使って作った事がある、というレベルでした。
そんなレベルで、何も考えず起業?と思うかもしれませんが、実際それで起業したのです。
※ちなみに去年の売上は2億円ほどありました。
ホームページのデザインをどこかで学んだ事はなかったですが、一つだけ言える事は、デザインをする事がとにかく好きだった事です。
1番好きな事ではなかったですが、それで収入を得るというイメージはどこかにありました。
ここからは私が起業を決め、実際に起業して、一年目の決算を迎えるまで順を追って説明します。
営業マンから独立し起業へ
起業前、私はSEO会社で営業マンとして働いていました。
営業マンは私一人という小さな会社でしたが、SEO対策の技術力が高かった為、その高い技術のおかげで営業成績を上げる事ができてました。
その時の経営者はどちらかというと、会社を大きくしていくというよりも、着実に成果を上げ、できるだけ人数も増やさず限られたリソースで賄うという考えでした。
私がたくさん契約を取ってくると、その作業が間に合わなくなる為、営業を一旦止めてブログを書いたり、次の営業の準備をしていました。
そんな中、顧客からホームページのリニューアルの相談を受けるようになり、社長に相談したところ、「デザインを少し覚えてデザインだけやってくれないか」と言われたのです。
その時教えてもらったソフトはAdobeのFireworksでした。
※現在はサポートされていません。
私はFireworksをポチポチ触りながら、また、本を買って使い方を覚えていきました。
それから、自分が良いと思うホームページのデザインを真似して作るなどして感覚を覚え、その後、実際リニューアル案件のデザインを少しずつ手がけるようになり、営業を行いながら時々デザインの仕事もするようになりました。
いつの日からか、営業よりも、デザインをしている方が楽しいという気持ちになってましたね。とても充実した毎日を過ごす事ができていました。
しかし、そんな日々から一転、その会社は同業者の傘下に入る事になったのです。
私はそれが凄く嫌で社長と協議を重ねましたが、結局私は会社を離れる事になりました。
その時38歳でした。
38歳、そんな年齢でまた一から就職活動する気にもならず、かといって結婚もしてましたのでニートになる訳にもいかず、私はその時起業するという選択をしました。
でも、私ができるのはちょっとした営業、そしてちょっとしたwebデザイン。
今までの人生、起業するとか、社長になるなど考えた事なかったですが、それしか選択肢がなかったのです。
考え過ぎて時間と手間を取られないように
起業を決めたのはいいですが、何をどうすれば良いか、本当にわかりませんでした。
ただ、前職の顧客に、
「起業のお祝いで一つホームページ作ってあげるよ」
と温かいお言葉とご依頼を頂いたので、そのデザインを作りながら色々と考える事にしました。
法人にするか否かに関しては、いわゆるBtoBの商売の為、なんとなく信用を得そうな法人にしようと決めました。理由はそれだけです。
場所は、自宅でもできる為、その当時住んでいたマンションの一室にし、そこで登記する事を決めました。
資本金に関しては、何も考えてませんでしたが、100万円の貯金があったので、その100万円を資本金にしました。9年経った今でも資本金100万円のままです。
あとは、できるだけ仕事を取ってホームページを作ろう!という意気込みだけでした。
会社設立の手続きは、その当時の義理の兄の知り合いに司法書士がいた為、全部お願いする事にしました。といっても何かサービスしてくれた訳ではないですが。
手続きを全部自分でするという選択肢もありますが、そういった面倒くさい手続きは多少お金がかかってもできるだけ専門家に任せた方が良いです。
起業した後もそうですが、専門外の事を全部しようとすると、時間や手間がどんどんそっちに取られ、本来自分がしなければいけない事ができなくなってしまう可能性があります。
スタートして問題点が見えてくる
そして実際に起業した後、一つ問題がある事に気づきました。
私は、ホームページのデザインはなんとかする事ができましたが、htmlやcssなど一切わからなかった為、デザイン以外は全て外注にしようと思ってました。
そこまでは問題ないのですが、html等でのコーディングは思った以上に費用が高く、顧客に提供しようとしていた金額で制作する事が難しくなってきました。
立ち上げたばかりで、実績もない、しかもそこそこの値段がする会社に、誰がホームページの制作を依頼するでしょうか?
私は、始めは限界まで安くしたかった為、起業した後に、htmlとcssの勉強をする事にしました。
オンライン受講、3日で2万円ほどで教えている方をインターネットで見つけ、すぐに申し込みすぐに受講しました。
絶対3日である程度マスターしてやるという意気込みはありました。
ただ、実際始まってみるとやはり難しく、なかなか覚える事ができませんでした。
私は、前職の顧客から依頼を受けていたホームページを練習台にさせて頂きながら、なんとか一ヶ月でデザインからコーディングまで全部終わらせ、納品する事ができたのです。
勉強しながらでしたので、制作期間中、睡眠時間はほぼなかったかと思います。
そんなスタートですので、事業計画も何もありません。
全て「とにかくやってみる」という気持ちだけでその後も進めていました。
難しいような案件もとりあえず受けて、後は調べながらでも何でも必ず「顧客に満足して頂く」という気持ちだは切らさずに無我夢中でやっていた記憶があります。
どこよりも安く制作すると営業をかけ、
「こんな値段なのに凄くいいホームページだね!」
と言われたくて、ただただ毎日作り続けていましたね。
もちろん、顧客の満足いくように作れなくてお叱りを受けた事も何度もあります。
でも、そういった失敗がその時必要だったと、今になって思います。
とにかく始めてみる事の大切さ
何も計画など立てず、そんな感じでただがむしゃらに仕事をしていましたが、そういった積み重ねが少しずつ信用と実績に繋がり、ホームページの制作以外に、名刺やチラシのデザイン、簡単なSEO、動画編集などのお仕事を頂く事も増え、初年度で200万円の利益を上げる事ができました。
その後一度も赤字になる事なく、去年度は数千万円の税金を支払いました。
冒頭でも言ったように、起業を考えている方達からの質問に対して思う事は、形から入ろうとしてないですか?という事です。
もちろん、それが悪い訳ではなく、事業計画を立てる事も良いとは思いますが、計画通りに行かなくなった時、そこで前に進めなくなる気がします。
経営なんて、計画通りに行く事はほんとんどないのです。
今、実際に経営されている方は皆口を揃えて同じことを言うと思います。
現に最近では、新型コロナウイルスの出現で、誰もがどうすれば良いかわからない状況に追い込まれました。うちの会社は影響受けてない、関係ない業種だから、と言っている方もいると思いますが、そんな影響なんていつ出てくるかわかりません。
結論から言うと、やろうと決めたならとにかくやってみる、始めてみる、です。
必ず壁にぶつかると思いますが、その時その時、その壁を壊すのか、登るのか、遠回りするのか決めれば良いと思っています。今でもそれは変わりません。
その一つ一つが経験となり、とても大事なスキルになると思っています。
そういったたくさんの経験が、いわゆる「直感」というものを生み出し、何かを選択しなければならない時に大きな助けとなってくれるでしょう。
堀江貴文さんも本かメルマガどちらか忘れましたが、うまく行っている経営者は皆バカだと言っています。
周りにバカだと言われても、それを突き進んでいく気持ちと、行動力は大事でしょうね。
ただ、私も経験あるのですが、あまりに真面目で真っ直ぐで正直すぎると、精神的に参ってしまう恐れがあります。多くの経営者がうつ病になってしまうのはこのせいです。
孤独な立場ですしね。
ですので、いい意味で少し適当な部分、遊びの部分、逃げ道は必ず持っておいた方が良いと思います。大事な武器です。
「楽観的でバカだけど、行動力はある」
そう言われる経営者を目指して起業してはいかがでしょうか?
その事業計画書は一旦おいといて、今すぐ始めてみませんか?
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管理人・ライター / TOMOYA
49歳男性。
web制作、webマーケティング、また音楽関連の会社を東京都内で経営。(2011年設立)
栃木放送「Leina✫color」パーソナリティ。
大手企業でのサラリーマンから、ミュージシャンを目指した極貧生活、20を超える業種のアルバイトや正社員を経て起業。私生活では4回の結婚を経験するなどジェットコースターのような人生を生きる。
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