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私も子供の頃、ウルトラマンや仮面ライダーなど、ヒーローもののテレビ番組をよく観ていました。
いわゆる「正義の味方」といった主人公が、悪党を倒していくストーリーにカッコよさを感じ、よく真似して遊んでいたのを覚えています。
最近だと、任侠映画を良くみますが、ヤクザ社会を描いたストーリーでさえ、主人公をヒーローとして観てしまいます。
「闇金ウシジマくん」も好きで観ますが、ヤミ金融業者という犯罪者が主人公にも関わらず、何故かヒーローに見えてしまうって不思議ですよね。
でも、昔からそういった「主人公」は皆正義の味方という視点で見ますし、そこには正義が存在しています。
私自身、子供の頃は「正義感が強い子」と先生にも言われた事があり、それが素晴らしい事だと子供ながらに思っていました。
でも、この「正義」というものは、一見素晴らしいものに思えてしまいますが、ここに人間の落とし穴があるような気がしてならないのです。
そして、この「正義感」こそ、とても危険なものであり、いかにこの「正義感」を持たないように生きていくか、今回はそういった事について書かせて頂きます。
正義感が争いを生む
正義感って聞くと、とても素晴らしいものだと誰もが思うでしょう。
好きな彼の事を紹介する時も「凄く正義感がある人」と言っている方も多いのではないでしょうか?
でも、この正義感というのは、一つではなく、皆それぞれ持っている形や質が違うのです。
そして、争いのほとんどが、それぞれの「正義感」のぶつかり合いで起こる事であり、とてもやっかいなものである事を忘れてはいけません。
例えば、今、2020年11月4日、アメリカの大統領選真っ最中でありますが、トランプを指示する人々、バイデンを指示する人々、我らこそが正義だと思っていると思います。
おそらく、どちらに大統領が決まっても、その啀み合いがなくなる訳ではなく、その後もそれぞれの正義がぶつかり合うかと思います。
この正義感というのは、平和的なイメージを持たれやすいですが、争いの根源である事は間違いありません。
身近な争いに目を向けてみる
ここで、身近な争いに焦点を当ててみたいと思います。
夫婦喧嘩、彼氏彼女との喧嘩、家族喧嘩、職場でも喧嘩、友達との喧嘩、皆それぞれ経験していると思います。
私自身、4回の結婚と離婚を経験している為、もちろん夫婦喧嘩はたくさんしてきました。
その度に、相手に対して憎しみを持ってしまったり、自分を正当化させたりする事になります。
それは、必ず思ってしまう「自分が正しい」という感情から生まれるという事です。
私は、特にこの「自分が正しい」という気持ちが強く、夫婦喧嘩の元になっていたのですが、この、「自分を正当化する」という事は、誰でも皆持っていると思います。
いわゆる自分の正義です。
私は4度目の離婚後、この事についてかなりの時間考えました。
「なぜ人は自分を正当化させてしまうのか」
「なぜ他人を否定してしまうのか」
それは、自分を否定してしまうと、自分が崩壊してしまう、また自分自身を見失ってしまうのではないかという恐怖心から来ていると感じました。
結局正義とは、自分自身を守る為だけのものではないかと。
そして、相手の事、相手の価値観の事を考えられないような人間は、正義を振りかざしてはならないと、そう結論付けたのです。
「正義」の間違えた捉え方
ここまで書いてきましたが、少し勘違いされそうな事がありますので、まずその事について少し書きたいと思います。
正義感を持つ事が悪いと言うならば、「困っている人を助ける」という気持ちや行動も悪い事なのか?という事です。
私は、困っている人を助ける行為は、「正義」とは全く関係のない事だと思っています。
「困っている人を助ける事が正しいから助ける」
ではないですよね?
困っている人を助けたい、力になりたいという、その人を思う気持ちではないでしょうか?
それは「正しい、間違い」の感情ではないと思うのです。
ここでいう「正義」とは、相手に押し付けてしまう自分の価値観という事です。
その色々な価値観について例を出しながら説明します。
例えば、私はタバコを吸いますが、ある人からは、「タバコは身体に悪いし、周りの人間にも被害を与えるから今すぐ辞めなさい」と言います。
この人が言っているのは、私や周りの人達の身体を心配して、私にタバコを辞めろという事です。正義ですね。
言っている事はわかりますが、もしこの人がそういった気持ちでタバコを辞めろと思うなら、その人は一切自分の身体に悪い事や、人に迷惑をかけない事をしてはならない事になります。
では、ここでその正義に対抗し、私の正義をぶつけるとしましょう。
私は数十年タバコを吸っていますが、今まで病気をした事がなく、タバコは唯一の嗜好品でストレス解消になっています。もちろん人に迷惑をかけないように吸っています。
法律で禁止されている訳でもなく、税金も収めているのに辞める事を強制させるのはおかしい。
あなたのように甘いものをたくさん食べたり、お酒を飲みすぎたりする事がないので、タバコを吸っていないあなたより健康ですし、スポーツカーを乗り回しているあなたはかなりの排気ガスを撒き散らしているのでは?
となります。
結局正義感なんかそんなものなのです。
人間は誰しも完璧ではないのに、人にばかり要求してしまう。
では、どういった気持ちで人と向き合って、正義感を無くしていけば良いのでしょうか?
価値観を理解する
このやっかいな正義感を無くす為には、まず自分という存在をしっかり理解する必要があります。
自分が生きて行く上で、良しと出来ること、出来ない事を把握する。
すぐに考える事は難しいですが、普段の生活の中で起きる全ての事に対して考えてみるという事です。
例えば、目の前で道端にゴミを捨てている人を見てどう思うか、電車で席を譲らない人を見てどう思うか、学校や職場で寝ていたりサボっている人を見てどう思うかなどです。
そして、それと同時に、何故許せないのか、自分は絶対にそれをしないか、という事も考えます。
そうする事によって、本当は良しと出来なかった事も、案外良しと出来るようになったりします。
自分の中にあった間違えた正義感を探し、少しずつ整理する。
あと大事な事もう一つ、相手の立場に立ってどこまで考えられるかが重要です。
嫌な光景を見たり、自分の考えとは違う意見を聞いた時、その人の事をもっと知ろうとする力です。
例えば、帰りが遅い旦那さんや奥さんに文句を言いたくなる時、何故遅くなるのか?自分にはわからない理由があるのではないか?何故遅くなっては駄目なのか?自分はそれによって大きな損害を受ける事なのか?という事を考えてみます。
また、自分はどうなのか?という事も考えます。
冷静にそういった事を考える事が出来れば、おそらくそこからの争いはなくなるかと思います。
人それぞれ価値観といものは全く違います。
普通に生きていると、皆同じ考えだと錯覚してしまう事がありますが、世の中の人の数だけ価値観が存在するのです。
自分の価値観だけを尊重しようとすると、必ず争いは起こります。
また、同じ価値観のとの同士が結託して、違う価値観のものを攻撃すると戦争になります。
常に相手の価値観を尊重する、そういった習慣を身につけておくと、何かある度に「許せない」という気持ちもなくなり、争い事も少なくなるかとと思います。
私も結婚をたくさん失敗してきました。
やはり、自分の中にあった「正義」を振りかざしていたのだと思います。
正義感を持つ事は危険。
この意味をしっかり理解した上で自分も生きて行きたいと思いますし、相手の価値観を尊重できる人間こそが本当の「ヒーロー」だと思っています。
管理人・ライター / TOMOYA
49歳男性。
web制作、webマーケティング、また音楽関連の会社を東京都内で経営。(2011年設立)
栃木放送「Leina✫color」パーソナリティ。
大手企業でのサラリーマンから、ミュージシャンを目指した極貧生活、20を超える業種のアルバイトや正社員を経て起業。私生活では4回の結婚を経験するなどジェットコースターのような人生を生きる。
stand.fm始めました
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